会話と対人距離の関係
 ふだん、みなさんがおしゃべりをするとき、相手の人はどのあたりにいますか。家の中か、街の中か誰とかで違うでしょうし、家の中でも部屋の大きさによっても違うかも知れません。ただ、そうした周囲の状況だけでなく、話す相手や話す内容によっても微妙に変化するでしょう。親や兄弟、友だちなど親しい人ほど、近い距離で話しますし、他人に知ってほしくない内緒話は、ぐっと近い距離になります。
 学校の先生や知り合いの大人など、改まった場で話をするときは少し遠くなります。 とはいえ、お互いに話をするにはちょうどよい距離があります。具体的には、親しい人間同士の会話は0.5~1.5mくらいの距離の中で行われ、会話ができる上限は3mと言われています。
 また人は、大勢がたくさんの音を発している場所でも、自分が興味のある人の会話や、自分の名前を聞き取ることができるといいます。これをカクテルパーティーのようなにぎやかな中でも会話が成り立つことから、「カクテルパーティー効果」と呼びますが、人がもつ不思議な能力のひとつといえるでしょう。

「人同士の距離」「ベンチで分かる人と人の距離」「会話と対人距離の関係」