地震に強い住宅

これからの耐震を知る　Eディフェンス

　先日、神戸のEディフェンスで行われた実大振動実験で、築３０年の木造住宅がどうやって倒れるのかを計測できたことは、大変大きな意味を持っています。
　 これまで、実際の木造住宅を壊す実験をすることはできませんでした。実際の家には骨組みの上に仕上げ材、内装材、外装材などがつくので、計算値の倍近い耐震能力があります。それを壊す実験を行うのは非常に大変であるため、小規模な建物での実験しかできなかったのです。
　 また、耐震補強をした住宅が本当に地震に耐えられるのか？これまで実際に確かめることができませんでした。このため、耐震補強は机上の論理だといわれ続けてきましたが、Eディフェンスで耐震補強された住宅の性能が実証できたことは、大変大きな成果だと思っています。
　 ２年目の今年は、実用的な耐震補強で実験する予定です。先日の実験では最大限の耐震補強を行ったわけですが、工法的にも価格的にももっと現実に則した耐震補強を見つけるための実験です。耐震補強普及版を目指しているといったところです。

　 大地震はくるかどうかわからないという人がいます。しかし、日本に住んでいる以上どこにいても阪神・淡路大震災クラスの地震が絶対にくるのだということを認識し、自分の家族だけではなく、どうしたらまち・社会を守れるのか、という発想で耐震に取組む時期に来ているのではないでしょうか。