日本の伝統的な建物は、木で造られています。レンガや石で壁をがっちり造る西洋のものと違い、骨組みは柱と梁でできているので、柱と柱の間を、戸や壁にしています(
「木の家」参照)。この部分は壁をくり抜いた窓(まど)というより、間戸(まど)と呼んだほうがしっくりきます。そして間戸は窓よりも格段に幅広く、引き違いという開閉形式の建具が使われています。
さらに特徴的なのが、座敷という部屋と戸外の間にある廊下や縁側といった空間です。こうした空間の間には建具として障子やガラス戸が使われ、外と内の境界をあいまいにする役割をしています。たとえば障子は、外の景色は見えないけど、自然光を採り入れます。ガラス戸は外の景色が見えますが、風は通しません。また雨戸は光も風、不審者(ふしんしゃ)など、すべての侵入を防ぎます。「和」の住まいは、このように使い分けながら、外と内を調整し、独特の雰囲気をつくっています。