窓とカーテン
 西洋の伝統的な建物の多くは、組積造といって、レンガや石を積み上げてつくっています。この構造ゆえに壁も厚く、窓はこの壁をくり抜くようにつくりました(「石の家」参照)。窓のかたちはくり抜きやすい縦長のものがよく見られ、開閉形式も外に押し出す開き戸が一般的です。
 そして、この窓には室内側にカーテンという布がかけられました。始まりは15世紀ころのルネサンスの時代からと言われ、インテリアの一部としていろいろな様式が生まれています。日本では、一般の家庭に普及したのは戦後で、部屋の洋風化に伴いインテリアの要素となり、窓まわりを美しく飾るため、色・柄・掛け方などが工夫されるようになりました。 興味深いことに日本では、布の表は室内側に向けてかけますが、西洋では布の表を外側にかけるものもあります。通りに面した窓は、その家のシンボルとして美しく飾るのが一般的。西洋のカーテンはインテリアの要素ばかりでなく町並にやさしさや美しさを加える要素となっているのです。

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