手づくりだった家具や設備は、技術の進歩によって、規格品となり、工業化され、大量生産されるようになりました。規格化された収納家具や設備は、利用者の好みにより組み合わせできるキッチンユニットとなり、カウンターを一体化させることで、均質化した美しいシステムキッチンとなります。 台所は、このような衛生的で機能的な家具や設備によって、以前よりはとても居心地のよい空間となり、ダイニングキッチンは家族がくつろぐリビングにつながってLDK(リビング・ダイニング・キッチン)という、ひとつの部屋になっていきました。つまり、台所は単に食事をつくったり、片付けをするだけでなく、食を通じた家族のコミュニケーショの場として使われるようになったのです。 台所の中で重要な設備であるガスコンロも、空焚きを防止したり、油の温度を調節するような、より安全で利便性の高い製品が開発されています。また、ガスによる「火」ではなく電気の「エネルギー」で調理するIHクッキングヒーターを使う家も増えてきました。 今では、こうした器具設備の開発によって、台所の形や配置する場所の制約が少なくなり、多様なものが作られるようになりました。家族がいるリビングに向かって料理ができるカウンター式(対面式)のキッチンや、部屋の中心にキッチンユニットを置き、キッチン設備を囲んで大勢で料理に参加できるアイランド型のキッチンなども登場してきています。
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