北極に限りなく近いところに住んでいるイヌイットの冬の家は、イグルーとよばれる雪の家です。イヌイットの人たちは、アザラシなどを求めて狩をする遊牧民族です。夏季には、テントで暮らしているのですが、寒さが厳しくなると、雪を利用して家を作るのです。 イグルーは、雪を固めたブロックを積み上げ、おわんを伏せたようなドーム状のかたちをしています。ふつう、母屋と倉庫の2棟がつくられ、その間を通路でつなぎます。出入り口は倉庫の方につくられ、母屋の床は一段高くして、冷気が入らないように工夫されています。内側はアザラシの毛皮を張り、雪との間の空気層が断熱や保温の役割をします。暖房は、アザラシや鯨(くじら)の油を燃料とするオイルランプがひとつあるだけ。室内が丸いので、上昇した熱が壁にそって下へ降りるので、ほどよく暖まります。
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