馬や牛、らくだ、羊、山羊などを放牧しながら生活をしているモンゴルの遊牧する人々は、ゲルという住まいをもっています。以前、[世界の住まい]で紹介しましたが、細い木の枝を骨組みにして、その上をフェルトで覆(おお)った住まいです。 冬になると外側の覆いを2重3重にして冷たい空気を防ぎ、裾(すそ)の方もハヤーブチという専用の覆いをつけます。そして、床には乾燥した家畜の糞(ふん)を敷き詰めます。こうすることで、床に断熱材をつけたことになり、地面の冷たさが伝わりにくくなるのです。 さて暖房はというと、部屋の中央にあるストーブ。これは1年中置いてあり、日々の調理に使いますが、冬には暖房としても役立ちます。燃料は乾燥した家畜の糞。数分燃やすだけで、室内はすぐに暖かくなるのだそうです。
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