平安時代後期まで、貴族や豪族などの権力者たちは平野部の都に大きな館を建てて住んでいました。このころの武士は、権力者たちの地方の所有地(荘園)を管理していました。そして、この荘園の中の平地や丘の上などに塀をめぐらせた館を建て、一族で住んだのです。 ところが、鎌倉時代になると武士の力が強くなり、武士同士の争いが始まって、有利に戦うための場所が必要になってきました。そこで武士は、敵に攻められたら逃げ込み、敵の攻撃を防ぐことのできる小さな建物を山の上や急な崖(がけ)の上などにつくるようになったのです。この建物は「山城」といわれ、これが日本のお城の始まりといえます。 その後、室町時代になると、あちこちの武士の勢力争いが激しさを増し、「山城」は、次々につくられていきました。
|