韓国の台所
 韓国の伝統的な住まいにある台所はプオク(釜屋)と呼ばれ、ふつうの部屋よりも一段床の下がった場所にありました。なぜかというと、竈(かまど)は韓国独自の暖房方式であるオンドルの焚き口にもなっていて、煮炊きの煙の熱が部屋の下を通り暖房として有効に利用されたからです。
 今ではこうしたプオクのある住まいは地方の農村に限られ、都会の人たちは、日本と変わらないキッチンを使っています。ただ、現代的なキッチンセットがあっても、現代住宅にもオンドルがあるので、床に直接座って食事をする習慣が残っているところもあり、日本との共通点を感じさせます。
 そして韓国の家庭料理に欠かせないおかずは、日本でもおなじみのキムチです。ひと昔前の日本の漬物と同じように、各家庭でそれぞれの味のキムチをつくります。スペースの限られた都会の集合住宅などでも、わざわざキムチの甕(かめ)をおく専用の場所をつくるほどの関心事になっています。キムチは大きな甕(かめ)に漬け込み、この甕を土の中に埋めることで温度を一定にし、酸っぱくならないようにします。場所も重要ですが、温度管理も大切なポイントなのです。
 韓国の家電メーカーがキムチ専用冷蔵庫を開発すると、大人気となりました。今の韓国の台所では、なくてはならないものになっているようです。

イラスト

「韓国の台所」「中国・雲南省の台所」へ