都心にほど近い大田区田園調布は、都内でも高級住宅地としてよく知られています。このまちができたのは、大正時代末(1923年)でした。駅を中心にして、放射状の道路と同心円の道路が交差し、その街路には当初からイチョウやツツジが植えられて、当時としては斬新で個性的な住宅地として注目されました。さらに、それぞれの家は生け垣に囲まれ、庭の緑や花が道行く人の目も楽しませていて、まち全体が公園のような雰囲気をもっていました。そんなまちの住民たちは、田園調布会を結成し、緑の多い静かな環境を自分たちで守っていくために、まちのルールをつくりました。 このルールは、家を新築したり、改築するときの決まりや、近隣にも影響を与えるような暮らし方に関する決まりが書いてあります。例えば家の新築や改築をするときには、外壁や屋根の色の範囲を決めて、周囲の環境を壊さないようにしたり、家の階数や高さ、塀の種類や高さなどの目安を決めて、近隣の家の迷惑にならないように注意しています。そうした住民同士の取り決めが、緑豊かな住宅街の環境を守っています。
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