現代版の長屋といえば、それはテラスハウスという集合住宅です。この建物は、高くても３階までで、一つひとつの住まいは横につながっています。そこが、住まいが縦に積み重なっているふつうのマンションとは違うところです。高層のマンションですと、土地の広さの割に大勢の人が住むことができますが、高い建物は足元を歩く人に圧迫感を与えます。ところが低層のテラスハウスは、こんな圧迫感を与えません。それに１戸１戸地面に接しているので、周りの環境をより身近に感じることができ、戸外にも出やすくなります。
　テラスハウスをいくつか集めてまちをつくり、車を入れない道もつくれば、子どもたちが伸び伸び遊べる場所ができます。外に出やすければ、自然とご近所との会話も多くなります。そんな光景は、昔ながらの長屋の路地を思わせますね。