ちゃぶ台という食事用の机が出始めたのは、明治時代の初めから中ごろといわれています。このちゃぶ台が出てくる前は、家族が一人ひとり専用の小さな食卓をもっていて、それを食事をする度に出して使っていました。ところが明治維新以降、社会や生活の近代化にともなって出てきた都会のサラリーマン家庭では、家族みんなで仲良く食事をしたり、団らんすることが大事なこととされ、そうした理由から家族が集まる茶の間は明るく過ごしやすい位置になりました。こうして、茶の間で家族全員が向き合うことのできるちゃぶ台が使われるようになったのです。明治時代後半には、一般庶民向けの安くて使いやすいちゃぶ台がたくさん作られるようになりました。 ちゃぶ台は、畳に座って食べるという日本の文化に、みんなで食卓を囲むという中国や西洋の文化を取り入れたものでした。
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