大きさと形
1950年代半ば、初期の公団住宅に備えつけられていたダイニングテーブルは、タテ約65cm、ヨコ110cmの長方形で小さめのものでした。これはダイニングキッチンの部屋自体が広くないので、4人家族で座るぎりぎりの大きさです。テーブルの板は木製で、脚は細い鉄パイプが使われました。高さは約75cmと少し高めです。イスは各家庭で必要な分購入していましたが、部屋が狭かったので、使わないときには重ねられる丸イスなどが好まれました。
その後ダイニングキッチンが広くなると、それにしたがってテーブルも大きくなります。テーブル板も木のものから、熱に強く、傷がつきにくいメラミン樹脂という表面をプラスチック樹脂加工したものが広く使われました。
キッチンと食事場所に別々のスペースがとれるようになってくると、6人でもゆったり座れるテーブルが使われました。素材も石やガラスなど、多様なテーブルが登場するようになります。
テーブルの高さも、家事がしやすいように、一時低めになりましたが、別に家事机のスペースがとれるようになると、また少し高くなっていきました。部屋の大きさや使われ方によって、ダイニングテーブルは少しずつ変化していったのです。
「庶民のダイニングテーブル」
「使われ方」
「大きさと形」