昔の農家の広間のような部屋は、近代の都会の庶民の住まいに、茶の間として受け継がれています。都会の庶民住宅の茶の間では、丸いテーブル(ちゃぶ台)を囲んで、家族みんながくつろいだり、一緒に食事をしたりしました。戦後、テレビが普及するようになると、茶の間には一家に一台のテレビが置かれ、そこに家族が集まりました。
しかし、家に余裕ができるようになると、部屋のしつらえを洋風にしたり、くつろぐ部屋、食事する部屋、寝室等を分けたりするようになります。こうして、茶の間の役割は徐々に変わっていきますが、今でも、家族が集まる部屋は茶の間や居間と呼ばれ、なくてはならない部屋となっています。