住まいのなかの段差は、つまずいて転倒する事故の原因の第一にあげられます。今の住まいは昔ほど段差が多くはないのですが、それでも気をつけたいことのひとつです。もちろん、床が滑りやすかったり、置いてあるものにつまずいたりして転ぶ場合もありますが、段差をなくすことは、多くの転倒事故の防止につながります。 段差のなかでも、はっきり分かる大きな段差の場合は、意識して越えるので事故はあまりおきません。危ないのは、気がつきにくいちょっとした段差です。特にお年寄りの場合、うっかりつまずいただけで、大きな事故になってしまいます。お年寄りは視力も弱くなり、足の上げ下げも少しずつ衰えてくるので、分かりにくいちょっとした段差でつまずき、転んでしまうのです。しかも、それが原因で骨折し、寝たきりになってしまうこともあります。お年寄りが暮らす住まいでは、特に注意したいところです。 段差以外では、ツルツルしたタイルや石張りの玄関ポーチ、浴室の床は、濡れていると滑りやすく危険です。また、フローリングの部屋の床は、スリッパや靴下で歩くとすべりやすいものです。 「危ないな」と思ったときには、大人に相談して、分かりにくい段差を目立たせるようにしたり、水に濡れる床を滑りにくい素材に変えたり、フローリングの床には滑り止めのワックスを塗るなど、事故を予防するための方法を考えてみてください。
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