さて、音を聞く人間の耳、聴覚(ちょうかく)には、どんな特徴があるのかみてみましょう。車のクラクションや、電話のベルの音が高いのはなぜでしょうか。それは、同じ大きさの音でも、低い音より高い音に対しての方が聞き取る能力が高いからです。それに、周囲の雑音は低い音が多いので、高い音には気づきやすいのです。しかし、年をとっていくと、だんだん高い方の音から聞こえにくくなるようです。また若い人でも、大きな音を長時間聞き続けると、音が聞こえにくくなる障害を負ってしまうことがあるので注意が必要です。 また、大きさや高さが同じ音でも、ずーっと鳴り続けているものか、鳴ったり止んだりしているものかで、感じ方がかなりちがいます。たとえば、換気扇をつけると最初の回し始めた音は分かるのですが、そのうち気にならなくなってきます。ところが、不定期に回ったり止まったりすると、回るたびに音が気になります。それから、たくさんの音の中から、あるひとつの音だけ聞く能力もあります。街中のにぎやかな雑踏にいて、自分の名前を呼ばれたら気づくというのも、そんな特徴をもっているからなのですよ。
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