大きな建物の残し方
 建物は中にいる人やものを雨や風、暑さ、寒さなどから守っていて、常に自然の脅威にさらされています。このような建物を残していくには、いろいろな方法があります。
 たとえば、古い木造の建物で有名な奈良の法隆寺などは、悪いところを直しながら1000年以上も当時の姿のままで建っています。また、宮城県の中尊寺金堂のように、建物をすっぽり覆うように建物をつくって、風雨などをあてないようにして、保存する方法もあります。また、建物すべてを残すのではなく、外観だけ、または1部屋だけ、と部分的に残すこともあります。
 さらに、建物を他の場所に移して残すこともあります。木造の場合は、いったん梁や柱などをていねいに取り外して解体し、移動先の場所で組み立て直します。こうして、いくつかの価値のある古い建物が1か所にまとめられ、一緒に保存されている地区があります。たとえば、明治期の文化を代表する建物を集めた愛知県犬山市の博物館明治村、江戸時代から昭和初期までの建物を集めた東京都小金井市にある江戸東京たてもの園などがそれです。外観や内部のインテリアも、できるだけ使われた時代のものを残し、一般の人びとが身近に見られるようになっています。

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