住まいのなかは事故が多い
 日本では、交通事故による死者は7000人を切り、少しずつ減ってきている傾向にあります。ところが家にいて事故にあい、命を落とした方は驚くことに1万3000人弱と、倍近い数なのです。さらに、亡くならないまでも、けがをした人を数えると、その数は1万3000人をはるかに超えると考えられます。
 住まいのなかの事故原因は、窒息(ちっそく)、溺水(できすい/水に溺れること)、墜落(ついらく)・転倒・転落の3つが圧倒的に多く、約8割の人がこれらが原因で亡くなっています。
 交通事故を含め、国内で思わぬ事故で亡くなる方は約4万人です。ということは、事故による死者の3人に1人が家の中の事故で亡くなっているのです。大地震などの災害で、いっぺんに多くの犠牲者がでると大きな話題になりますが、住まいのなかの事故は、全国各地でバラバラに起きるので、こんなにも大勢の方が亡くなっていてもニュースなどで大きく取り上げられないのが現状です。
 家族と暮らす住まいは心安らぐ場所ですが、同時に危険もあるところということを知っておきましょう。そして、住んでいる人が気をつけたり工夫をして、事故が起こらないようにしたいものです。
※文中の交通事故の死者は、平成17年度警察庁調べ、それ以外は、平成17年度「人口動態調査」(厚生労働省)によります。
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