ちょっと昔の大家族
 第二次世界大戦が終わるまでの日本は、長男が代々家を継いでゆくという「家父長制(かふちょうせい)」という仕組みがありました。その家族は、「家」の中心の家長の長男(お父さん)がいて、その妻(お母さん)と子ども、お祖父さんとお祖母さんという3世代にわたるものが一般的なかたちとなっていました。さらに、長男の兄弟姉妹などと一緒に暮らすこともあったり、兄弟の数も平均で4人以上と多かったため、大家族だったのです。
 また、当時は、たいてい農業や漁業、商業をしていて、会社勤めのお父さんはあまり多くありませんでした。お父さんに限らず、家族みんなが協力して、ものを作ったり、売ったりして仕事をしていたのです。子どもは、このような暮らしの基本である「家」の大切な跡継ぎでした。それぞれの「家」では家系を絶やさないように、なるべく多くの子どもを育てたのです。
 お祖父さんやおばさんなど、いろいろな年代の家族がいる家では、暮らしの知恵や作法が引き継がれ、子どもたちのしつけや学びの場として、重要な場となっていました。
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