都会の気候
 東京や大阪など、人口が集中する都市部では1980年代頃から、周辺地域に比べて気温が異常に高くなってしまう現象がみられるようになりました。この現象はヒートアイランド現象といわれ、工場や自動車、冷房などからの排熱が第一の原因です。さらに、地面を覆うコンクリートやアスファルトが日射しを照り返したり、鉄筋コンクリート造などの建物が熱を蓄えたりして、熱気が一部の地域にこもってしまっているのです。その上、気温を下げる効果のある緑地や水辺が少ないことも、原因のひとつです。最近では、厳しい暑さのため一日中冷房に頼りきった生活を送る人が増え、ますます気温が上がってしまうという悪循環におちいっています。
 こうした現象をおさえるため、建物の屋上に庭園を造ったり、壁を植物で覆うなどして緑地を増やす取り組みがすすめられています。また、夏場の排熱を減らすため、冷房の温度を高めに設定し、ビジネスマンも半袖シャツにノーネクタイといった夏場にふさわしい服装をするようによびかける運動も行われています。
東京近郊の平均気温の分布
1998年8月・1999年8月・2000年8月
※環境省ホームページ「ヒートアイランド現象の実態解析と対策のあり方について」より作成

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