石壁の白い家
 スペインは闘牛やフラメンコが有名な、ヨーロッパ南西部にある国です。地中海に面した南部アンダルシア地方は、夏の陽射しがたいへん強く、気温が40℃を超す強烈な暑さになります。
 この地方では、そんな強い陽射しを遮るため、住まいは厚い石の壁と頑丈なスペイン瓦でおおわれています。そしてどの家も壁の外側は石灰で白く塗られていて、遠くからみると雪のかたまりのようにも見えます。なぜ壁を白くするかというと、白は陽射しを反射する働きがあるからです。太陽の熱で壁が暖まるのを防ぎ、住まいの中が暑くならないようにしているのです。また、この地方の陽射しは強いのですが、雨のあまり降らない乾燥した気候なので、陽射しさえ遮ることができれば、、ひんやりとした涼しい場所になります。陽射しを避けるために、谷あいの岩をくりぬくなど、自然の地形を利用した住まいもみられます。
 ここに暮らす人々は、陽射しが強い日中は厚い壁におおわれた屋内にいて、日が落ちる夜の7時から8時ころから外に出て、食事をしたり、散歩やおしゃべりをしたりして楽しんでいるのですよ。
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