ヨーロッパよりさらに北のロシアでは寒さはより厳しく、暖房も特有のかたちをつくりだしました。それが「雪の降る夜は楽しいペチカ」と、歌にもなっているペチカです。この暖房の原型は暖炉と同じなのですが、より熱を長持ちさせるために、暖炉やストーブに比べて、ずいぶん大きな箱型の本体があり、その多くがレンガ造です。 中をみると、焚き口から曲がりくねった長い、長い煙の道があります。暖かい煙が長い道を通ることで、たくさんのレンガを暖め、そのレンガが家の中をじんわり暖めるのです。 しかしこの仕組みだと、簡単に温度調節はできません。場所によっては春がくるまで、半年以上も焚き続けたといわれています。また、こうした熱は暖房だけでなく、パンを焼いたり、シチューを煮込んだりして、毎日の料理にも利用されました。
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