農家の広い土間は、農作業や炊事をする場として、また、物置として使われました。土間のもう一方には床が敷いてあり、囲炉裏のある広間と、奥の座敷、それに寝室として使っていた納戸の間があります。このかたちを広間型といいます。このような間取りは、江戸時代にできたと考えられています。
囲炉裏のある広間は家族みんなの生活の中心で、家事やだんらん、食事などの場として使われました。囲炉裏のまわりに座る位置は決まっていて、家の主は座敷に近い場所、若い女性は流しに近い場所となっていました。座敷は接客の間として使われ、納戸(なんど)は窓や出入り口を小さくして、大切なものをしまったり、家族が寝る部屋となったりしていました。